\LaTeX におけるハイフン,en,emダッシュの出力方法と,その使い分けを紹介します。
【LaTeX】ハイフン,en,emダッシュ(横棒)とその使い分け
テキストモードで用います。
記号 | コマンド | 意味 | 使い方 | 使用例 | コマンド |
---|---|---|---|---|---|
\text{-} | - | ハイフン | 単語を区切る | \text{well-defined} \text{X-ray} | well-defined X-ray |
\text{--} | -- | enダッシュ | ページ番号や 複数人を並べる際に使う | \text{pp.~12--19} \text{Cauchy--Schwarz} | pp. 12--19 Cauchy--Schwarz |
\text{---} | --- | emダッシュ | 文章挿入など | \begin{aligned}&\text{two variables}\\ &\text{---A, B---are}\end{aligned} | two variables---A, B---are |
enダッシュは n
の横幅と同じ大きさのダッシュであるからそう呼ばれ,emダッシュは m
の横幅と同じであるから,そう呼ばれます。これには,上表のように,きちんと使い分けがあります。
たとえば,ハイフンを用いて \text{2-5} とかけば,単に2と5を区切ってあるだけであり,「2の5」ぐらいのニュアンスですが,enダッシュを用いて \text{2--5} とかけば「2から5」と範囲を表すことになるわけです。(実際は,ハイフンをenダッシュと区別せずに使う場面も多いです。)
なお,上は全てテキストモードでの話です。数式中で - と書くと,これは「符号のマイナス」の意味になってしまいます。数式で使いたいときは,\text{}
や \mathrm{}
などとして中に書いてあげるとよいです。あるいは,\mathcar'-
というのを使うのもアリです。
たとえば, \mu\text{-a.e.} は \mu\text{-a.e.}
とかけばよいです。
ハイフン,ダッシュで改行しないnobreakdashコマンド
ハイフンやダッシュで改行したくない場合は,amsmath
パッケージで定義されている \nobreakdash
コマンドを用いればよいです。
たとえば,pages 1\nobreakdash--9
は \text{pages 1--9} ,$n$\nobreakdash-dimensional
は n\text{-dimensional} と,改行されずに出力されます。