正則開集合は,閉包の内部(開核)が元の集合に一致するような開集合で,正則閉集合とは,内部(開核)の閉包が元の集合に一致するような閉集合です。
正則開集合・正則閉集合について述べましょう。
正則開集合・正則閉集合
定義(正則開集合・正則閉集合)
(X,\mathcal{O}) を位相空間とし, A\subset X とする。
A が正則開集合 (regular open) であるとは,
\Large\color{red} A=\operatorname{Int}(\overline{A})
が成り立つことをいう。 A が正則閉集合 (regular closed) であるとは,
が成り立つことをいう。
閉包の内部(開核)が元の開集合に一致するのが正則開集合で,内部(開核)の閉包が元の閉集合に一致するのが正則開集合です。閉包と内部(開核)の順番が違うので注意してください。
定義より明らかに正則開集合は開集合であり,また正則閉集合は閉集合です。
正則開集合・正則閉集合の例・そうでない例
簡単なが具体例を挙げましょう。
例( \R).
\R の部分集合について,
- (0,1), (0,\infty) は正則開集合である
- [0,1], [0,\infty) は正則閉集合である
- (0,1)\cup (1,2) は正則開集合でない開集合である
- \{0\} は正則閉集合でない閉集合である
- カントール集合は正則閉集合でない閉集合である
3.より,特に正則開集合の和集合は正則開集合とは限りません。また,4.を \{0\}=[-1,0]\cap [0,1] とみると,正則閉集合の共通部分が正則閉集合とは限らないことも分かります。一方で,次の定理があります。
正則開集合・正則閉集合の性質
定理(正則開集合・正則閉集合の性質)
- 正則開集合の有限個の共通部分は正則開集合である
- 正則閉集合の有限個の和集合は正則閉集合である
2個の場合について考えれば十分です。
証明
(X,\mathcal{O}) を位相空間とし, A,B\subset X とする。
1.について
A,B を正則開集合とすると,
\begin{aligned}A\cap B &=\operatorname{Int}(\overline{A})\cap \operatorname{Int}(\overline{B}) \\ &=\operatorname{Int}(\overline{A}\cap \overline{B})\\&\supset \operatorname{Int}(\overline{A\cap B})\end{aligned}
である。ただし,2つ目の等号は内部(開核)・外部・境界について詳しく図解~距離空間・位相空間~から言えて,3つ目の \supset は【位相空間】閉包とは~定義と例と性質~で言及した。仮定より, A\cap B は開集合であるので, A\cap B\subset \overline{A\cap B} の両辺内部(開核)を取ることで, A\cap B\subset \operatorname{Int}(\overline{A\cap B}) も分かるから,
となる。したがって, A\cap B は正則開集合である。
2.について
A,B を正則閉集合とすると,
\begin{aligned}A\cup B &=\overline{\operatorname{Int}(A)}\cup \overline{\operatorname{Int}(B)} \\ &=\overline{\operatorname{Int}(A)\cup \operatorname{Int}(B)} \\ &\subset \overline{\operatorname{Int}(A\cup B)}\end{aligned}
である。ただし,2つ目の等号は【位相空間】閉包とは~定義と例と性質~で言えて,3つ目の \subset は内部(開核)・外部・境界について詳しく図解~距離空間・位相空間~で言及した。仮定より, A\cup B は閉集合であるので, A\cup B\supset \operatorname{Int}(A\cup B) の両辺閉包を取ることで, A\cup B\supset \overline{\operatorname{Int}(A\cup B)} も分かるから,
である。したがって, A\cup B は正則閉集合である。
証明終
なお他にも,正則開集合の補集合は正則閉集合,正則閉集合の補集合は正則開集合です。これは, X\setminus \operatorname{Int}(A)=\overline{X\setminus A},\, X\setminus \overline{A}=\operatorname{Int}(X\setminus A) の関係から分かります。


