有理式・有理関数とは,(多項式)/(多項式)の形で表される関数のことで,多項式と分数式を合わせた総称です。有理式について解説しましょう。
有理式・有理関数とは
定義(有理式・有理関数)
P, Q を多項式, P\ne 0 (恒等式として,すなわち P は 0 という多項式でない)とする。このとき,\large\color{red} Q/P の形を 有理式・有理関数 (rational function) という。
例を見る方が早いです。多項式は多変数でも構いません。
有理式の例.
- \dfrac{2x^2-3x+4}{x^2+2x-3}
- \dfrac{x^2+x+3}{x-4}
- \dfrac{3}{x^2+3xy+y^2-4y+1}
- \dfrac{2a^2+b^2}{3a-4b+1}
- \dfrac{x^2+4x+3}{4}
P が定数のときは, Q/P はただの多項式になります。このように,有理式は多項式を含みます。一方で, P が定数でないような有理式,すなわち多項式でない有理式のことを分数式ということがあります。

有理関数全体は体をなす
実数係数 n 変数多項式を
\R[x_1, \ldots, x_n]=\left\{f(x)\middle| f(x)=\sum_{k=0}^n a_k x^k\right\}
と表すと,これは可換環ですが,体ではありません。実数係数 n 変数有理式は
と表すことが多く,これは体になっています。この体を有理関数体 (field of rational functions) ということがあります。
複素関数における有理型関数とは異なる
複素関数論を勉強すると,有理型関数 (meromorphic function) というのが出てきますが,これは有理関数とは異なります。有理型関数とは,有限個の極を除いて正則な複素関数のことです。有理関数は有理型関数の一種になります。
定義に注意しましょう。

