区分的 C^1 級関数とは,有限個の区間に区切ると,それぞれが C^1 級関数になっているような連続関数のことをいいます。区分的 C^1 級曲線とは,有限個の区間に区切ると,それぞれが C^1 級曲線になっているような連続曲線のことをいいます。
数式で定義しましょう。
区分的C1級関数
定義1(区分的 C^1 級関数)
連続関数 f\colon [a,b]\to \R が区分的 C^1 級関数 (piecewise continuously differentiable function)であるとは,ある n\ge 1 と,
a=x_0<x_1<x_2<\cdots< x_n=b
が存在して, f は各 [x_{k-1}, x_k] 上で C^1 級であることをいう。ただし, f が [x_{k-1}, x_k] 上で C^1 級であるとは, [x_{k-1}, x_k] 上で微分可能(端点は片側微分)で,導関数が端点も込めて連続であることをいう。
簡単に言うと,区分的 C^1 級関数とは,有限個の C^1 級関数のつなぎ合わせということです。あるいは区分的 C^1 級関数とは,いくつかに区切ってみると C^1 級関数とみれる連続関数とも言えます。
「f が [x_{k-1}, x_k] 上で C^1 級」の意味をより詳しく述べておきましょう。これはすなわち x_{k-1}\le x\le x_k に対し,
f'_k(x)=\lim_{\substack{y\to x \\ y\in [x_{k-1}, x_k]\setminus\{x\}}} \frac{f(y)-f(x)}{y-x}
が存在して, f'_k が [x_{k-1}, x_k] 上連続であるということです。極限の取り方を見ると, f'_k(x_k) は x\uparrow x_k となる極限(左極限)を考えていて, f'_k(x_{k-1}) は x\downarrow x_{k-1} となる極限(右極限)を考えていますね。 ここで,通常の C^1 級関数だと, f'_{k-1}(x_{k-1})=f'_k(x_{k-1}) となる,すなわち x_k における左極限と右極限が一致するのですが,今はそうでなくてもよいということです。
例を挙げましょう。
例1(絶対値).
f\colon [-1,1]\to \R を
- f(x)=|x|
- f(x)=\begin{cases} x^2 &0\le x\le 1, \\ \sqrt{x+4}-2 & -1\le x\le 0 \end{cases}
と定めると,これらは区分的 C^1 級関数である。
1.のみ確認しましょう。原点で尖っていますが, f は連続であり,また [-1, 0] 上 f'=-1,\, [0,1] 上 f'=1 となるため, [-1, 0],\, [0,1] 上それぞれにおいては f は C^1 級関数になっています。2.もほぼ同じです。
なお,定義に則ると f(x)=\sqrt{|x|} は区分的 C^1 級ではありません。 x=0 における片側微分が存在しないからです。
区分的C1級曲線
平面 \R^2 上あるいは \mathbb{C} 上の曲線を考えましょう。
区分的 C^1 級曲線は,単純に区分的 C^1 級関数の f\colon [a,b]\to \R を f\colon [a,b]\to \R^2 \text{ (or }\mathbb{C}) に置き換えただけです。
定義2(区分的 C^1 級曲線)
連続関数 f\colon [a,b]\to \R^2 \text{ (or }\mathbb{C}) が区分的 C^1 級曲線 (piecewise continuously differentiable curve)であるとは,ある n\ge 1 と,
a=x_0<x_1<x_2<\cdots< x_n=b
が存在して, f は各 [x_{k-1}, x_k] 上で C^1 級であることをいう。ただし, f が [x_{k-1}, x_k] 上で C^1 級であるとは, [x_{k-1}, x_k] 上で各成分が微分可能(端点は片側微分)で,各導関数が端点も込めて連続であることをいう。
f\colon [x_{k-1}, x_k]\to \R^2 が C^1 級とは, f(x)=\bigl(u(x), v(x) \bigr) と成分表示したときに, u, v\colon [x_{k-1}, x_k]\to \R がともに C^1 級であることをいいます。複素関数 f\colon [x_{k-1}, x_k]\to \mathbb{C} のときは,普通に実数から複素数の関数とみて微分を考えても良いですし,実部と虚部を分けて,それぞれで実数から実数への関数とみて微分を2つ考え, \R^2 の場合に帰着させてもよいです。
以下の例を見てください。これは区分的 C^1 級曲線の例になっています。




