\LaTeX における,複素数の実部・虚部のかき方について説明します。
なお,amsmath
パッケージの利用は仮定しています。
【LaTeX】Re,Im(実部,虚部)のかき方について
デフォルトと推奨するかき方
デフォルトでは,複素数の実部・虚部は以下のようなコマンドが定義されています。
コマンド | 出力 | 意味 |
---|---|---|
\Re z | \Re z | z の実部 |
\Im z | \Im z | z の虚部 |
もちろん,これで良ければいいのですが, \operatorname{Re}, \operatorname{Im} のような,ローマン体アルファベットを使いたい場合もあるでしょう。これを使うためには,プリアンブルで以下のように定義します。
\let\Re\relax
\DeclareMathOperator{\Re}{Re}
\let\Im\relax
\DeclareMathOperator{\Im}{Im}
\let\〇〇\relax
は,〇〇という命令を無効化する命令です。すると,以下のように出力できるようになります。
コマンド | 出力 | 意味 |
---|---|---|
\Re z | \operatorname{Re} z | z の実部 |
\Im z | \operatorname{Im} z | z の虚部 |
あるいは,以下を用いてもよいでしょう。
\renewcommand{\Re}{\operatorname{Re}}
\renewcommand{\Im}{\operatorname{Im}}
出力は,上と同じになります。
Physicsパッケージを用いた場合
\usepackage{physics}
とした場合,\Re
,\Im
は \operatorname{Re}, \operatorname{Im} で再定義されるため,上のようなことをしなくても,\Re z
とすれば \operatorname{Re} z と出力できるようになります(\Im z
も同様です)。
好ましくないかき方
\mathrm{Re} z
のようにするのは良くありません。 \mathrm{Re} z のように, \mathrm{Re} と z の間隔がおかしくなってしまいます。ちゃんと演算子向けである \DeclareMathOperator
または \operatorname
コマンドを使うべきです。