ルベーグ数とルベーグの被覆補題の証明

集合と位相
記事内に広告が含まれている場合があります

位相空間論におけるルベーグ数とは,コンパクト距離空間上における開被覆を測る尺度であり,その存在は,ルベーグの被覆補題によって分かります。

ルベーグ数と,ルベーグの被覆補題とその証明について,解説しましょう。

ルベーグ数とルベーグの被覆補題

以下で,距離空間 (X,d) と集合 A\subset X に対し, A直径 (diameter)

\Large \color{red} \delta(A)=\sup_{x,y\in A} d(x,y)


と定めます。

集合における直径のイメージ

ルベーグの被覆補題 (Lebesgue covering lemma)

(X,d)コンパクト距離空間とし,\{U_\lambda\}_{\lambda\in\Lambda} を開被覆とする。

このとき,ある \delta>0 が存在して, \delta(A)<\delta をみたす任意の集合 A\subset X に対し,ある \lambda\in\Lambda が存在して, A\subset U_\lambda とできる。

このような \delta を開被覆 \{U_\lambda\}ルベーグ数 (Lebesgue numger) という。

ルベーグの被覆補題のイメージ

定義より, \delta>0 がルベーグ数ならば,0<\delta'<\delta をみたす任意の \delta' もルベーグ数になります。理論的には,最大のルベーグ数を考えたくなりますね。まぁ良いです。

早速定理を証明しましょう。

証明

Xコンパクトであるから, \{U_j\}_{j=1}^n を有限部分開被覆として,この開被覆に対して定理を示すので良い。また, U_j=X となるような j が存在するときは,明らかに定理は成立するので, \emptyset \ne U_j\subsetneq X としてよい。

1\le j\le n に対して, F_j= X\setminus U_j と定める。さらに, f\colon X\to \R

f(x)=\frac{1}{n}\sum_{j=1}^n d(x, F_j)


と定める。ただし, d(x, F_j)=\inf_{y\in F_j} d(x,y) である。このとき, f 連続関数であり, x\in U_j とすると, d(x, F_j)>0 となることと, \{U_j\}_{j=1}^n が開被覆であることから,任意の x\in X f(x)>0 である。

コンパクト空間上の連続関数は最小値をもつから, \delta=\min_{x\in X} f(x)>0 が定まる。これがルベーグ数であることを示そう。

\delta(A)<\delta となる \emptyset\ne A\subset X を任意に取る。 a\in A とすると, f(a)\ge \delta であるから,ある 1\le j\le n が存在して, d(a, F_j)\ge \delta となる。よって,

B_\delta(a)\bigl(\coloneqq \{y\in X\mid d(a,y)<\delta\}\bigr)\subset U_j


であり,一方で \delta(A)<\delta なので A\subset B_\delta(a) となるから, A\subset U_j が言えた。

以上から, \delta はルベーグ数である。

証明終

面白い証明ですね。

関連する記事

タイトルとURLをコピーしました