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同次式(斉次式)とは

群・環・体

同次式(どうじしき)あるいは斉次式(せいじしき)とは,(多変数)多項式において,全ての項の次数が等しいようなものを言います。

同次式(斉次式)について,定義と具体例,性質をまとめます。

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同次式(斉次式)の定義と具体例

定義(同次式・斉次式)

全ての項の次数が等しい多項式を同次式(どうじしき;同次多項式)あるいは斉次式(せいじしき;斉次多項式;homogeneous polynomialという。

例を見た方が分かりやすいと思うので確認しましょう。

同次式(斉次式)の例

  1. x^2+5xy+2y^2 (2変数2次)
  2. x^2+2y^2+z^2+3xy-5xz (3変数2次)
  3. x^4+3z^4-3x^2y^2+2yz^3-xy^2z-xyz^2 (3変数4次)
  4. xy (2変数2次)

同次式(斉次式)でない例

  1. x^2-2y
  2. x^3-3y^2+2x
  3. x^2+2xy+y^2+1

たとえば, x^2+5xy+2y^2 は, x^2, 5xy, 2y^2 の全てが2次式ですから,同次式(斉次式)です。また, xy のように一つの項しかないものも,ある意味同次式(斉次式)ですね。また,1変数の斉次式は常に ax^n のように1項になります。

一方で, x^2-2y x^2 が2次で,- 2y は1次式なので,同次式(斉次式)ではありません。

たとえば,2変数 x,y に対する1次の同次式(斉次式)は (a,b)\ne (0,0) となる変数 a,b を用いて,

ax+by


の形をしています。その他,同次式(斉次式)は以下の形をしています(ただし, a,b,c,\dots は「全て 0」ではない)。

  • ax+by (2変数1次)
  • ax^2+bxy+cy^2 (2変数2次)
  • ax^3+bx^2y+cxy^2+dy^3 (2変数3次)
  • ax+by+cz (3変数1次)
  • ax^2+by^2+cz^2+dxy+eyz+fzx (3変数2次)
  • ax^3+by^3+cz^3 +dx^2y+exy^2 +f y^2z +gyz^2+hx^2z+ixz^2+jxyz (3変数3次)

一般に, m 変数の n 次の斉次多項式は

\color{red}\sum_{n_1+n_2+\dots+ n_m=n} a_{n_1,n_2,\dots, n_m} x^{n_1}_1 x^{n_2}_2\dots x^{n_m}_m


と表すことができます(ただし,係数 a_{n_1,n_2,\dots, n_m} のうち少なくとも一つは「0 でない」)。全ての係数が 0 でないとき,この項数は n_1+n_2+\dots +n_m=n をみたす非負整数の組 (n_1, n_2, \dots, n_m) の数と同じですから,_{n+m-1}\mathrm{C}_{m-1} = \dfrac{(n+m-1)!}{n!(m-1)!} 項になります。

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同次式(斉次式)の性質

定理1(同次式(斉次式)のスケール変換)

m 変数多項式 f(x_1,x_2,\dots, x_m) n 次の同次式(斉次式)である必要十分条件は

\color{red}\begin{aligned} &f(\lambda x_1,\lambda x_2, \dots, \lambda x_m)= \lambda^n f( x_1, x_2, \dots, x_m) \end{aligned}


が成り立つことである。

\implies は明らかですし, \impliedby も背理法でスグですね。

定理2(同次式(斉次式)の積・因数分解)

  1. 同次式(斉次式)の和・差・定数倍は同次式(斉次式)(0を含む)である。
  2. 同次式(斉次式)の積は同次式(斉次式)である。
  3. 同次式(斉次式)が因数分解できるなら,各因数も同次式(斉次式)である。

証明

1.は明らか。

f(x_1,\dots, x_m),g(x_1,\dots, x_m) をそれぞれ n,n' 次同次式(斉次式)とする。このとき, f(x_1,\dots, x_m)g(x_1,\dots, x_m) n+n' 次の同次式(斉次式)である。実際,

\begin{aligned} &f(x_1,\dots, x_m)\\&=\sum_{n_1+n_2+\dots+ n_m=n} a_{n_1,n_2,\dots, n_m} x^{n_1}_1 x^{n_2}_2\dots x^{n_m}_m, \\ &g(x_1,\dots, x_m)\\&=\sum_{n_1+n_2+\dots+ n_m=n} b_{n_1,n_2,\dots, n_m} x^{n_1}_1 x^{n_2}_2\dots x^{n_m}_m\end{aligned}


等と定め,具体的に和を計算すればわかる。よって,2.が言える。

逆に, f が同次式(斉次式)でないとすると, f における一番小さい次数の項と g との積,f における一番大きい次数の項と g との積を比較すると, fg は明らかに同次式(斉次式)でない。対偶を考えると,3.が言える。

証明終

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