\LaTeX において,xcolorパッケージを用いた,文字の色を変える方法を紹介し,自ら色を定義する方法も述べます。
【LaTeX】文字の色を変える基本的な方法
まずは,基本的は方法を紹介しましょう。
xcolorパッケージを使用する
文字に色を付けるには,xcolor
パッケージを用います。これは,color
パッケージよりも強力なものです。プリアンブルに
\usepackage{xcolor}
とかいておくとよいです。あるいは,グラフィック全体を取り扱う graphicx
パッケージと併せて,\usepackage{graphicx,xcolor}
としてもよいでしょう。使っているドキュメントクラスにもよりますが,日本語のpLaTeX, upLaTeXを使う場合,うまくいかないときはドライバを指定して,
\usepackage[dvipdfmx]{xcolor}
とかきましょう。
実際に文字色を変える方法
文字に色を付けるには,{\color{<color>} <text>}
または \textcolor{<color>}{<text>}
を利用します。こうすることで,<text> が <color> 色になります。
コマンド1 | コマンド2 | 結果 |
---|---|---|
{\color{red}y=f(x)} | \textcolor{red}{y=f(x)} | \color{red}{y=f(x)} |
{\color{orange}y=f(x)} | \textcolor{orange}{y=f(x)} | \color{orange}{y=f(x)} |
{\color{blue}y=f(x)} | \textcolor{blue}{y=f(x)} | \color{blue}{y=f(x)} |
{\color{yellow}y=f(x)} | \textcolor{yellow}{y=f(x)} | \color{yellow}{y=f(x)} |
{\color{green}y=f(x)} | \textcolor{green}{y=f(x)} | \color{green}{y=f(x)} |
なお,\color
コマンドの方は,\color{red}...
のように,外側を {}
で囲わなかった場合,後ろ全体の色が変わります。
<color>
で指定できる色は以下の通りです。
また,\usepackage[dvipsnames]{xcolor}
のように,dvipsnamesオプションをつけて読み込んだ場合は,更に以下の色を指定できます。
さまざまな色を指定する方法
自ら,色をカスタマイズして作ることができます。以下,その例です。
コマンド1 | コマンド2 | 解説 |
---|---|---|
{\color[gray]{0.7}...} | \textcolor[gray]{0.7}{...} | グレースケール。 0(黒)~1(白)で指定。 |
{\color[rgb]{0.7,0.3,0.1}...} | \textcolor[rgb]{0.7,0.3,0.1}{...} | RGB。 r,g,bの順に0(色なし)~1(色付き)で指定。 |
{\color[cmyk]{1,0.5,0.8,0}...} | \textcolor[cmyk]{1,0.5,0.8,0}{...} | CMYK。 c,m,y,kの順に0(色なし)~1(色付き)で指定。 |
{\color[hsb]{0.3,0.5,0.4}...} | \textcolor[hsb]{0.3,0.5,0.4}{...} | HSB。 h,s,bの順に0~1で指定。 |
{\color[HTML]{AA88FF}...} | \textcolor[HTML]{AA88FF}{...} | HTML。 000000~FFFFFF(RRGGBB)のいずれかを指定。 |
新たな色を定義するdefinecolorコマンド
新たな色を定義する場合は,プリアンブルに
\definecolor
コマンドを用いて定義します。これはおおよそ,
\definecolor{<new command>}{<gray/rgb/cmyk/hsb>}{<spec-list>}
の形で使います。以下,その例です。
\definecolor{mygray}{gray}{0.3}
\definecolor{myred}{rgb}{1,0.1,0.1}
\definecolor{cmykred}{cmyk}{0,0.95,1,0}
これにより,たとえば {\color{myred}y=f(x)}
, \textcolor{myred}{y=f(x)}
のように使うことができます。