\LaTeX において,二段組・多段組にする方法とその周辺知識を紹介します。
2段組にする方法
\LaTeX について二段組にするには,ドキュメントクラスを定義する際に,
\documentclass[twocolumn]{jsarticle}
のように,twocolumn
オプションを指定します。二段の距離を変えたい場合は
\setlength{\columnsep}{2zw}
などとします(LuaLaTeXの場合は 2\zw
)。jlreq
クラスの場合は,\documentclass[twocolumn,column_gap=2zw]{jlreq}
ともできます。
二段組の間に線を引きたい場合は,
\setlength{\columnseprule}{0.4pt}
などとかきます。0.4pt
は線の太さです。
二段組の左から始めて,途中で右に行きたくなった場合は,\newpage
コマンドを用います。これは通常改ページのコマンドですが,この場合は右ページに移動を意味します。
二段組で始める前に,二段組でない文章を入れたい場合は,
\begin{document}
\twocolumn[%
二段組にしない文章]
本文
\end{document}
とします。また,図表は二段組にしたくない場合は,\begin{table*} ... \end{table*}
や,\begin{figure*} ... \end{figure*}
のように,アスタリスク付きで用います。
途中から一段組に戻したい場合は,\onecolumn
とかきます。ただし,これは改ページされてから一段組になります。改ページしたくない場合は,以下で解説する multicol
パッケージを用います。
多段組にする方法
多段組,特に3段以上の組にするには,multicol
パッケージを用います。プリアンブルに \usepackage{multicol}
とかいてください。
このパッケージは,文書の途中で多段組を挿入することができ,非常に便利です。これは,文章中に
\begin{multicols}{段数}
文章
\end{multicols}
の形で用います。たとえば,3段組にしたいのであれば,\begin{multicols}{3}
です。以下が出力例です。
段組の間隔や,間の線の設定は,上で解説したものと同様です。途中で段を変えたいときは,\columnbreak
コマンドを用います。
なお,multicol
環境は文の途中に多段組を挿入するものですから,例えば最終ページで使ったとしても,上で,「かきくけこ」がないような感じの出力になってしまいます。
そうではなく,例えば以下のような出力,すなわち,全体的に段組にして,均等にテキストを配置せず,余るところがあっても良いようにするには,multicols*
環境を用います。
なお,\columnbreak
直前に \vfill
といった縦方向のスペースを入れたいが,上手く入らないときは,\vfill\null
としてみてください。