\LaTeX における組み合わせ・2項係数,順列,重複組み合わせ,重複順列のコマンドをまとめます。
なお,一部 amsmath
パッケージの使用を仮定しています。
組み合わせ関連(順列,2項係数など)のコマンド
組み合わせ・2項係数のコマンド
記号 | コマンド | 主な意味 |
---|---|---|
{}_n C_k | {}_n C_k | Cが斜体の組み合わせ・2項係数 |
{}_n \mathrm{C}_k | {}_n \mathrm{C}_k | Cがローマン体の組み合わせ・2項係数 |
\binom{n}{k} | \binom{n}{k} | 組み合わせ・2項係数 |
\tbinom{n}{k} | \tbinom{n}{k } | 常にテキストスタイルの組み合わせ・2項係数 |
\dbinom{n}{k} | \dbinom{n}{k} | 常にディスプレイスタイルの2項係数 |
日本の高校では,Cをローマン体にして {}_n \mathrm{C}_k と書くことが多いです。値は全て \dfrac{n!}{k!(n-k)!} になります。
前に下付きの添え字を付けたい場合は,{}_n
のように,「空白の記号」の後に下付き添え字をつけるようにします。左に文字がないときは,{}
を省略して単に _n
と書いても構いません。以下同様です。
順列のコマンド
記号 | コマンド | 主な意味 |
---|---|---|
{}_n P_k | {}_n P_k | Pが斜体の順列 |
{}_n \mathrm{P}_k | {}_n \mathrm{P}_k | Pがローマン体の順列 |
値は \dfrac{n!}{(n-k)!} になります。
重複組み合わせのコマンド
記号 | コマンド | 主な意味 |
---|---|---|
{}_n H_k | {}_n H_k | Hが斜体の重複順列 |
{}_n \mathrm{H}_k | {}_n \mathrm{H}_k | Hがローマン体の重複順列 |
値は {}_{n+k-1} \mathrm{C}_k = \dfrac{(n+k-1)!}{k!(n-1)!} になります。
重複順列のコマンド
記号 | コマンド | 主な意味 |
---|---|---|
{}_n \varPi_k | {}_ n \varPi_k | Pが斜体の順列 |
{}_n \Pi_k | {}_n \Pi_k | Pがローマン体の順列 |
値は n^k になります。
前に添え字をつけるのにprescriptコマンドを使う
前に添え字をつける際,{}_n
のような書き方をしましたが,これは mathtools
パッケージに定義されている,\prescript
コマンドを用いて書く方法もあります。これは,\prescript{上の添え字}{下の添え字}{本体}
の形で用います。たとえば,数式中で
{}_{n}\mathrm{C}_k \\
\prescript{}{n}{\mathrm{C}}_k
とすると,
と出力されます。画像では,なぜか少し n の位置が下がってしまっているので,確認してから使うとよいかもしれません。(私の環境では,具体的な値を入れたり,上にも添え字をつけたりすると,このような「位置下がり」は起こりませんでした。)