における,和をあらわすシグマ記号 (\sum
)のかき方と,そのテクニックについて述べましょう。 のみを述べますが,以下については,積をあらわすパイ記号 (\prod
)でも同様に適用可能です。
なお,amsmath
パッケージの使用は仮定しています。
【LaTeX】和をあらわすΣ(シグマ)記号の基本的なかき方
ディスプレイスタイル | テキストスタイル | コマンド |
---|---|---|
\sum | ||
\sum_{n=1}^\infty | ||
\sum_{1\le k\le n} | ||
\sum_{a\in A} |
なお,\sum_{n=1}^\infty
は \sum^\infty_{n=1}
のように,先に上につくコマンドからかいても構いません。
和をあらわすΣ(シグマ)記号のさまざまなかき方
ここからは,さまざまなテクニックを述べることにしましょう。
添え字のつけ方を変える
通常,シグマ記号の添え字は,ディスプレイスタイルでは上下に,テキストスタイルでは右側につきます。しかし,\limits
コマンドを使うことで常に上下に出力することができ,\nolimits
コマンドを使うことで,常に右側に出力することが可能になります。
ディスプレイスタイル | テキストスタイル | コマンド |
---|---|---|
\sum_{n=1}^\infty a_n | ||
\sum\limits_{n=1}^\infty a_n | ||
\sum\nolimits_{n=1}^\infty a_n |
また,ディスプレイスタイルにおいて, (\sum\nolimits'
,「'
」 の出力には上付きを表す ^
が不要であることに注意)のように,右側に出力するコマンドと, (\sum_{1\le k\le n}
)のように,下側に出力するコマンドの両方を併用したい場合は,\sideset
コマンドを用います。
これは, (\sum, \prod
)のサイドに添え字をかくためのコマンドで,\sideset{<left symbol>{<right symbol>}{<\sum or \prod>}
の形で用います。以下がその例です。
ディスプレイスタイル | コマンド |
---|---|
![]() | \sideset{}{'}{\sum}_{1\le k\le n} a_n |
![]() | \sideset{_a^b}{_c^d}{\sum} |
![]() | \sideset{_a^b}{_c^d}{\sum}_{n=1}^\infty a_n |
添え字を2行以上にする
添え字を2行以上にするには,\substack
を用います。改行は \\
を使います。
ディスプレイスタイル | テキストスタイル | コマンド |
---|---|---|
\sum_{\substack{0<i<m\\0<j<n}} | ||
\sum_{\substack{0\le i\le l\\0\le j\le m\\0\le k\le n}} |
mathtoolsパッケージを用いたスペースの調整
とすると,左側は と の間隔,右側は と の間隔が大きくあいてしまいます。これを調整するには,mathtools
パッケージで提供されている \smashoperator
コマンドを用います。これは,隙間を潰す命令で,l
, r
オプションをつけることで,左側・右側のみ潰すことも可能です。
以下に例を挙げましょう。
S= \sum_{1\le i\le j\le n} a_{i,j}
S= \smashoperator{\sum_{1\le i\le j\le n}} a_{i,j}
S= \smashoperator[l]{\sum_{1\le i\le j\le n}} a_{i,j}
S= \smashoperator[r]{\sum_{1\le i\le j\le n}} a_{i,j}
