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【LaTeX】角度の記号°(度),∠(角),⊥(垂直),平行を詳しく

LaTeX
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\LaTeX における,角度に関する記号°(度), ∠(角), ⊥(垂直), //(平行)を表す方法について,紹介します。

なお,一部 amsmath, amssymb パッケージが必要なところがあるかもしれません。うまくいかない場合は,追加で読み込んでみてください。

【LaTeX】角度の記号°(度),∠(角),⊥(垂直),平行を詳しく

角度の記号一覧

特に記述がない限り,数式モードで使用します。

記号コマンド使用例コマンド主な意味
\degree \tcdegree30\degree 30\tcdegree角度
mathcomp パッケージが必要
\text{\textdegree} \textdegree \text{30\textdegree} 30\textdegree角度(テキストモード)
textcomp パッケージが必要
角度の記号\ang\ang{30}\ang{30}角度
siunitx パッケージが必要
\circ \circ 30^\circ 30^\circ角度(非推奨)
\angle \angle \angle\mathrm{ABC}\angle\mathrm{ABC}
\measuredangle \measuredangle
\sphericalangle \sphericalangle
\parallel \parallel l\parallel m l\parallel m平行(海外)
斜めは後述
\nparallel \nparallel l\nparallel m l\nparallel m平行でない(海外)
斜めは後述
\perp \perp l\perp m l\perp m垂直
\not\perp \not\perp l\not\perp m l\not\perp m垂直でない

角度の記号はいくつも述べましたが,その見た目の違いを比較しておきましょう。

45\tcdegree,\ang{45},45^\circ
45\tcdegree,\ang{45},45^\circ の出力結果

1つ目については,\usepackage{mathcomp} と読み出したもので,このとき,フォントは Computer Modern になります。たとえば,\usepackage[ppl]{mathcomp} と読み出せば Palatino になります。

なお, \angle\mathrm{ABC} では,\mathrm{ABC} としましたが,高校数学においては,このように頂点は斜体にしません。 \angle ABC (\angle ABC) と見た目を比較してください。

平行記号を斜めにする方法

海外では,平行記号に \parallel という記号を使うことが多いですが,日本ではこれを斜めにして使うことが多いです。これについては,amsmath などのメジャーなパッケージには収録されておらず,一般的なやり方がありません。

よって,ここでは以下のやり方を提案しておきます。一般的なやり方ではありませんので,ちゃんと上手くいくか確認するとよいでしょう。

使用例平行のコマンド
平行記号1/\!/
平行記号2\rotatebox[origin=c]{-25}{$\parallel$}
平行記号でない記号1/\!/\!\!\!\!\backslash\,
平行でない記号2\rotatebox[origin=c]{-25}{$\parallel$}\!\!\!\!\backslash\,

一つ目は,スラッシュ記号 / を2つ並べて使う方法です。単に // とすると間が広くなってしまうので,スペースを詰める命令 \! を入れて /\!/ としています。もっと間を詰めたい場合は /\!\!/ と,2つ \! を入れるとよいでしょう。

二つ目は,垂直の平行記号 \parallel を少し傾けて使う方法です。この方法を用いるには,graphicx パッケージが必要です。プリアンブルに \usepackage{graphicx} とかきましょう。傾けているので,2つの棒の高さが変わります。-25 は傾き加減を指します。数値を変えれば,傾き加減が変わります。

後半の二つは否定の記号です。バックスラッシュを上から重ねています。そのために \! でスペースをマイナス方向に入れ,バックスラッシュを出力した後に \, で後ろにスペースを追加しています(参照:【LaTeX】水平方向の空白(スペース)のコマンド11個)。

平行記号をよく使う場合は,プリアンブルに

\newcommand{\parallelj}{/\!/}
\newcommand{\nparallelj}{/\!/\!\!\!\!\backslash\,}

などと書いて使用するとよいでしょう。

参考

  1. 奥村晴彦, 黒木裕介「LaTeX 美文書作成入門」(技術評論社, 第9版, 2023)
  2. mathcomp – Text symbols in maths mode