\LaTeX において,改行する方法と,改行に関する知識をまとめます。
基本的な改行の方法
コマンド | 意味 |
---|---|
空白行 | 改行。段落が変わるため,次の行は字下げされる。 |
\par | 改行。段落が変わるため,次の行は字下げされる。 |
\\ | 段落内の改行。次の行は字下げされない。\\[5mm] などで,次の段落までの縦方向のスペースを制御できる。 |
\linebreak | 段落内の改行。次の行は字下げされない。 \linebreak[4] と同じ意味で,必ず改行。\linebreak[n] の n を 3,2,1,0 にすることで,段々改行し辛くなる。 |
\nolinebreak | 改行しない。\nolinebreak[4] と同じ意味で,改行しない。\nolinebreak[n] の n を3,2,1,0とすることで,段々改行しやすくなる。\nolinebreak[0] = \linebreak[0] である。 |
\\* | 改ページされない改行 |
\LaTeX においては,編集中に単に1行改行したとしても,それは無視されます(欧文の場合は半角空白として扱われます)。1行の空白行を作って,はじめて改行の意味になります。
基本は,空白行の改行と,\\
を覚えておけばよいでしょう。
例を見てみましょう。
本サイトは,主に専門数学や,\LaTeX といったその周辺ツールに関する解説を
行っています。\\
もし,誤りなどを見つけましたら,お問い合わせフォームからお願いします。
本サイトは,主に専門数学や,\LaTeX といったその周辺ツールに関する解説を行っています。
もし,誤りなどを見つけましたら,お問い合わせフォームからお願いします。
段落が変わると,デフォルトでは,字下げされますが,これが嫌な場合は,段落前に \noindent
とかくとよいです。一括で字下げしないようにするには,プリアンブルに \setlength{\parindent}{0pt}
とかきます。
改行に関する知識
ここからは,改行に関する知識を紹介しましょう。
数式における改行
数式における改行は,align
環境などの,複数行の数式が書ける環境内において,\\
を使うのが普通です。詳しくは,以下の記事の例をみるとよいでしょう。
改行禁止のスペース
This theorem is in Chen [1].
のような文章について,Chen
と [1]
の間では,改行すべきではありません。このような場合は, This theorem is in Chen~[1].
のように,改行禁止の半角スペース ~
を挿入します。
和文の場合は,奥村\nobreak [1]
みたいにします。
関連記事:【LaTeX】水平方向の空白(スペース)のコマンド11個
ハイフネーション(行分割)による改行
欧文においては, \LaTeX は自動でハイフネーション(行分割)を判断し,その位置で改行を行うことがあります。ハイフネーションとは,一単語の区切りです。company であれば,com-pa-ny,station でれば sta-tion となります。
ハイフネーションが間違っており,正しいハイフネーションを伝えたい場合は,プリアンブルに
\hyphenation{com-pa-ny sta-tion}
のように記述しておきます。
必ず改行したくない単語の場合は,\mbox{...}
とします。\mbox{company}
みたいな感じです。
また,逆に,d\text{-dimensional} のように,もともとハイフンを含んだ単語は,ハイフネーションしません(dimensionalの途中で改行しません)から,ハイフネーションしたい場合は,$d$-\hspace{0pt}dimensional
とします。 逆に $d$\nobreakdash-dimensional
とすれば,この単語で全く改行しなくくなります。
文章全体のハイフネーションを禁止したい場合は,プリアンブルに
\hyphenpenalty=10000
\exhyphenpenalty=10000
とかいておくとよいですが,見栄えが悪くなり得るので,オススメしません。10000
から数字を下げれば,改行のしやすさを変えることが可能です。