Frodaの定理といわれる,単調増加関数,または単調減少関数の不連続点は高々可算個であることを証明します。
Frodaの定理の主張
数学専攻であれば,一度は聞いたことのある定理かもしれません。数学専攻でなくても,可算個の意味が分かればぜひ知ってほしい定理です。
それでは,さっそく証明にうつりましょう。
Frodaの定理の証明
証明
f は広義単調増加としてよい。また,区間 [n,n+1) における不連続点の集合を A^{(n)} とすると,不連続点全体の集合は \bigcup_{n=-\infty}^\infty A^{(n)} であるから,特に区間 [0,1) における不連続点の集合が高々可算個であることを示せばよい。
これを示そう。 f は広義単調増加であるから, a\in [0,1) に対し,
f(a-) = \lim_{x \to a-0} f(x), \quad f(a+) = \lim_{x \to a+0} f(x)
が存在する。これを用いると, f の区間 [0,1) における不連続点の集合 A は
A = \{ a \in [0,1) \mid f(a+) - f(a-) > 0\}
と表せる。ここで,
A_n = \left\{ a \in [0,1) \mid f(a+) - f(a-) > \tfrac{f(1)-f(0)}{n}\right\}
と定めると, f は単調であるから,集合A_nの個数について,
\#A_n \le n
とならねばならない。すなわち A_n は有限集合。
A = \bigcup_{n=1}^\infty A_n であるから, A は高々可算集合であり,結論を得る。
証明終
証明は比較的シンプルだと思います。私も,最初にこの定理の証明を見たときはあまりにシンプルで感動しました。皆さんともこの感動を共有できると幸いです!