\LaTeX において,分数は a/b
や \frac{a}{b}
のようなかき方をします。まずはこれの基本的なかき方をまとめ,それから,連分数など,もう少し発展的な話を述べましょう。
なお,amsmath
パッケージの使用は仮定しています。
【LaTeX】分数の基本的なかき方
出力 | コマンド | 解説 |
---|---|---|
a/b | a/b | 分数 |
\displaystyle \frac{a}{b} | \frac{a}{b} | 分数 |
\dfrac{a}{b} | \dfrac{a}{b} | ディスプレイスタイルの分数 |
\tfrac{a}{b} | \tfrac{a}{b} | テキストスタイルの分数 |
分数の主なかき方は以上の通りです。ここからは,分数のテクニックを述べましょう。
【LaTeX】分数のテクニック
ここからは,分数にまつわるさまざまなテクニックを紹介します。
連分数のかき方
連分数 (continued fraction) をかきたいときは,\frac
ではなく,専用の \cfrac
コマンドを使うのが良いです。以下,ディスプレイ形式において,\frac, \dfrac, \cfrac
コマンドを使った場合を比較してみましょう。
出力 | コマンド |
---|---|
\frac{1}{1+\frac{1}{\sqrt{2}}} | \frac{1}{1+\frac{1}{\sqrt{2}}} |
\dfrac{1}{1+\dfrac{1}{\sqrt{2}}} | \dfrac{1}{1+\dfrac{1}{\sqrt{2}}} |
\cfrac{1}{1+\cfrac{1}{\sqrt{2}}} | \cfrac{1}{1+\cfrac{1}{\sqrt{2}}} |
一番下の \cfrac
コマンドが一番きれいに出力できていますね。\cfrac
を使った例をもう一つ挙げてみましょう。
\cfrac{1}{a_0+\cfrac{1}{a_1+\cfrac{1}{a_2+\cfrac{1}{a_3+\cdots}}}}
これの出力は,以下のようになります。
\cfrac{1}{a_0+\cfrac{1}{a_1+\cfrac{1}{a_2+\cfrac{1}{a_3+\cdots}}}}なお,l, c, r
のオプションをつけることで,分子の位置を変えることができます。以下を見てください。
出力 | コマンド |
---|---|
\cfrac[l]{1}{1+\cfrac{1}{\sqrt{2}}} | |
\cfrac[c]{1}{1+\cfrac{1}{\sqrt{2}}} | |
\cfrac[r]{1}{1+\cfrac{1}{\sqrt{2}}} |
分数をつくるgenfracコマンド
分数をもっとカスタマイズしたい場合は,\genfrac
コマンドを使うとよいです。これは,
\genfrac{左括弧}{右括弧}{横棒の太さ}{スタイル}{分子}{分母}
の形で使います。それぞれの意味は,以下のようになります。
用語 | 解説 |
---|---|
左括弧 | 分数の左側につける括弧。デフォルトは無し。 |
右括弧 | 分数の右側につける括弧。デフォルトは無し。 |
横線の太さ | 分数の横線の太さ。デフォルトは普通の太さ。0にすると出力しない。 |
スタイル | 0-3でそれぞれdisplaystyle, textstyle, scriptstyle, scriptscriptstyleを指定できる。 |
分子 | 分子 |
分母 | 分母 |
具体例を挙げましょう。
コマンド | 出力 |
---|---|
\genfrac{}{}{}{}{a}{b} | \genfrac{}{}{}{}{a}{b} |
\genfrac{}{}{2pt}{}{a}{b} | \genfrac{}{}{2pt}{}{a}{b} |
\genfrac{(}{]}{1pt}{}{a}{b} | \genfrac{(}{]}{1pt}{}{a}{b} |
\genfrac{}{}{2pt}{2}{a}{b} | \genfrac{}{}{2pt}{2}{a}{b} |
\genfrac{(}{)}{0pt}{}{a}{b} | \genfrac{(}{)}{0pt}{}{a}{b} |
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