\LaTeX における,上下左右の余白の設定方法を解説します。
geometryパッケージを使う方法
geometry
パッケージを用いることで,簡単に設定することが可能なため,原則この方法をオススメします。たとえば,上下左右の余白(マージン)が20mmになるようにするには,このパッケージを読み込む際に
\usepackage[margin=20truemm]{geometry}
とします。mm
は,truemm
のようにすることで,正しい寸法になります。あるいは,上下左右を別々に指定したい場合は,
\usepackage[top=25truemm,bottom=20truemm,left=20truemm,right=20truemm]{geometry}
などとします。本のように,偶奇ページで異なる余白にしたい場合は,twoside
オプションを指定し,
\usepackage[twoside,top=25truemm,bottom=20truemm,inner=30truemm,outer=20truemm]{geometry}
などとします。inner
は本の綴じ側(のど;奇数ページは左で偶数ページは右)の余白で,outer
はページをめくる側(小口)の余白です。この設定のときは,left, right
としても,inner, outer
と同じ意味になります。
手動で設定する方法
手動で設定する方法も紹介しましょう。手動で設定するには,
\setlength{調整したいパラメータ}{大きさ}
とします。調整できるパラメータと jsarticle
クラスのA4サイズ時のデフォルトは以下の通りです。
上の写真は全て pt
単位になっていますが,実際は \textwidth=49zw
だったりします。
これを参考に,たとえば,
\setlength{\textheight}{20mm} %上の余白
\setlength{\textheight}{39\baselineskip} %行数-1,残りが下の余白になる
\addtolength{\textheight}{\topskip} %1行目が始まる位置の調整
\setlength{\oddsidemargin}{1cm} %左の余白
\setlength{\textwidth}{45zw} %1行の文字数,残りが右の余白になる,和文ならzwの整数倍にすべき,jsbookクラスでは40zwを超えられない
などとします。なお,\oddsidemargin
は本来奇数ページの左の余白を指すため,jsbook
クラスのように,奇数ページと偶数ページで余白が異なる場合は,\evensidemargin
(偶数ページの右の余白)も指定するとよいでしょう。
なお,上の写真のように,実際のレイアウトを出力できるパッケージとして,layout
パッケージがあります。これをプリアンブルで読み込み,本文中に \layout
とかくだけで,上の写真のように,実際のレイアウトを出力してくれます。
実際のところは,あまり触るべきでないパラメータもあるため,この方法はあまりオススメしていません。
jlreqクラスの場合
和文のモダンクラス jlreq
の場合,オプションで余白を指定することも可能です。以下がその例です。
\documentclass[head_space=20mm,number_of_lines=40,gutter=10mm,line_length=45zw]{jlreq}
のような感じです。それぞれの意味は以下の通りです。
head_space | 上の余白 |
foot_space | 下の余白,head_space かどちらか片方を指定する |
number_of_lines | 行数 |
gutter | 左の余白 本のようにページの偶奇でレイアウトが違う場合は綴じ側(のど)の余白 |
line_length | 行長 |