\LaTeX において,\label{}
コマンドや \ref{}, \eqref{}
コマンドなどを用いた相互参照の方法を解説します。
参照のため,まずlabelコマンドでラベルを貼ろう
まずは後で参照するために,参照するための名称を決めねばなりません。そのためには \label{ラベル名}
コマンドを用います。
名前を付けることができるのは,節・別行立て数式・表・図・箇条書きの番号・脚注・定理などです(定理にはamsthmパッケージなどが必要)。以下がその例です。ラベルをしたこと自体が出力に影響することはありません。
\section{セクション名}\label{ラベル名}
\subsection{セクション名}\label{ラベル名}
\begin{equation}\label{ラベル名}
数式
%alignなどの環境は一行毎に番号を振るので,
%ラベルを付けたい行の末尾にラベルをかくこと。
\end{equation}
\begin{table}
%上手くいかない場合はcaption内にlabelを書いてみる
\caption{キャプション}\label{ラベル名}
テーブル
\end{table}
\begin{figure}
%上手くいかない場合はcaption内にlabelを書いてみる
\caption{キャプション}\label{ラベル名}
図
\end{figure}
\begin{enumerate}
\item 一つ目\label{ラベル名}
\item 二つ目\label{ラベル名}
\end{enumerate}
文章\footnote{脚注\label{ラベル名}}
ラベル名は一意でなくてはなりません。もちろん,後で参照するところのみにラベル名をつければよいです。
よく言われるのは,名前を付ける際は数式なら \label{eq:ラベル名}
などのように,ラベルの種類を分かりやすいようにしておくことです。必須ではありませんが,例えば以下のようにしてもよいでしょう。
ラベルの種類 | 名称の例 |
---|---|
section | \label{sec:ラベル名} |
subsection | \label{subsec:ラベル名} |
数式 | \label{eq:ラベル名} |
表 | \label{tab:ラベル名} |
図 | \label{fig:ラベル名} |
ラベルを付けたものの参照方法
ラベルを付けたものを参照するには,\ref{ラベル名}
コマンドを用います。「ラベル名」にはあらかじめ上でつけておいたラベル名を使用します。
これによって,その節番号や定理番号などを参照することが可能です。この際,一度コンパイルしただけでは ??
と出力されるため。コンパイルは複数回せねばなりません。
数式を参照する際は,\ref{ラベル名}
ではなく,amsmath
パッケージに定義されている \eqref{ラベル名}
コマンドを用いる方が良いでしょう。これにより,適切に括弧をつけて出力してくれます。括弧をつけたくない場合は,mathtools
パッケージに \refeq{ラベル名}
というコマンドもあります(→【LaTeX】数式番号に関するあれこれ)。
また,\pageref{ラベル名}
コマンドを用いることで,その内容があるページ数を出力することも可能です。たとえば,以下のような感じです。
\pageref{eq:ラベル名}ページで述べた\eqref{eq:ラベル名}式は,
よく言われるのは,参照するラベルの前後で改行すべきでないということです。たとえば,
By Theorem \ref{ラベル名}, we have
としてしまうと,Theorem とラベル名で改行されてしまう可能性があります。これを防ぐには
By Theorem~\ref{ラベル名}, we have
のように,改行禁止のスペース ~
を入れることです。スペースについては,【LaTeX】水平方向の空白(スペース)のコマンド11個でも解説しています。