無限級数 \sum_{n=1}^\infty a_n が絶対収束するとは,無限級数 \sum_{n=1}^\infty |a_n| が収束することをいい,条件収束するとは,絶対収束しないが,無限級数 \sum_{n=1}^\infty a_n が収束することをいいます。
絶対収束・条件収束の定義と具体例を紹介し,さらに発展的な記事をまとめましょう。
絶対収束・条件収束の定義
絶対収束・条件収束はどちらも級数
\sum_{n=1}^\infty a_n=\lim_{N\to\infty} \sum_{n=1}^N a_n
の収束性に関する話です。以下で,たとえば \sum_{n=1}^\infty a_n が収束する (converge) とは,上式の右辺が収束することを指すとします。
定義(絶対収束・条件収束)
\{a_n\} を実数列または複素数列とする。
- \sum_{n=1}^\infty |a_n| が収束するとき,無限級数 \sum_{n=1}^\infty a_n は絶対収束 (absolutely convergent) するという。
- \sum_{n=1}^\infty |a_n| は収束しないが, \sum_{n=1}^\infty a_n が収束するとき,無限級数 \sum_{n=1}^\infty a_n は条件収束 (conditionally convergent) するという。
絶対収束の「絶対」は絶対値からくる言葉です。1.が言えれば, \sum_{n=1}^\infty a_n が収束すると言えます(→級数が絶対収束すれば収束することの2通りの証明)。よって, \sum_{n=1}^\infty a_n が収束するとき,絶対収束するか・条件収束するかの2つに分類され,それ以外はあり得ません。
絶対値がついている \sum_{n=1}^N |a_n| に関しては, N\to\infty で単調増加です。上に有界な単調増加数列は収束するので,
\displaystyle \sum_{n=1}^\infty |a_n| が収束 \displaystyle \iff \sum_{n=1}^\infty |a_n|<\infty
です。特に右辺を絶対収束の意味で使うことが多いです。また,同様に
\displaystyle \sum_{n=1}^\infty |a_n| が発散 \displaystyle \iff \sum_{n=1}^\infty |a_n|=\infty
です。
一方で,絶対値のつかない \sum_{n=1}^\infty a_n は,振動する場合や -\infty に発散する場合もあるので,単に <\infty か =\infty かを考えるのはダメです。

絶対収束・条件収束の具体例
いくつか具体例を挙げておきましょう。
例1(等比級数).
z\in \mathbb{C} とする。 \displaystyle \sum_{n=1}^\infty z^n は,
- |z|<1 のとき絶対収束し,
- |z|\ge 1 のとき発散する
z=1 のときは明らかでしょう。 z\ne 1 のとき,
\sum_{n=1}^\infty z^n = \frac{z(1-z^n)}{1-z}
ですから, |z|\ge 1 では発散しますね。また,|z|<1 のときは,
ですから,絶対収束します。
例2.
z\in \mathbb{C} とする。\displaystyle \sum_{n=1}^\infty \frac{z^n}{n} は,
- |z|<1 のとき絶対収束し,
- |z|=1,\, z\ne 1 のとき条件収束し,
- |z|>1 または z=1 のとき発散する
まず, \sum_{n=1}^\infty 1/n=\infty に注意してください。よって, |z|\ge 1 では絶対収束しません。2.については,【級数の収束判定法】ディリクレの定理とその証明で証明しています。 |z|>1 のときは和の中身について, z^n/n は 0 に収束しないため,無限和は収束しません。
絶対収束・条件収束の性質まとめ
定理(絶対収束・条件収束の性質まとめ)
他にも,(絶対収束しないが)条件収束する十分条件を述べた定理があり,級数の収束・発散判定法13個まとめでまとめています。
なお,関数項級数における絶対収束・条件収束の話も面白いです。ただし,正確な主張を述べると長くなるので,関連記事のみリンクを貼っておきます。





